探偵社に上手な相談の仕方
(1)探偵に調査を依頼する動機
調査を依頼する人には、様々な動機があります。浮気の証拠をおさえ親権をとりたい、裁判のため何としても証拠を押さえておきたい、給料を差し押さえて養育費を払ってもらいたい、お金を貸している人が突然姿を消した、等々お金をかけてでも判明させたい理由があるからです。
お金をかけたくない人は自力で解決しようと考えます。働いているため時間がとれず証拠がとれない、証拠写真の撮り方や尾行・張り込みの方法がわからない為失尾や相手方に発覚して証拠が取れない上に犯罪を犯してしまうリスクがありお勧めできません。明確な動機があって犯罪を犯したくない方は、専用の調査機材を駆使し誰にも気づかれずに鮮明な証拠を取得できる探偵社に調査依頼するのが賢明と思われます。
(2)相談・見積の仕方
探偵社に調査を相談される場合、インターネット検索や看板などの広告から探偵社を選択し調査の可否や料金をメールや電話で相談されると思います。調査の具体的な内容、経緯などの情報なしにいきなり調査料金や料金体系を確認される方がおられますが、冷やかしか同業他社の探りと考えますので相手にされません。注意が必要です。
探偵社では調査の難易度(手がかり、警戒行動など)、環境(職業、住まい、勤務先など)や移動手段などから調査員の数や稼働数を勘案して自社の見積ルールに基づいて料金を算出します。電話での情報は、情報量が少ないので大体の料金しか提示していません。これだけで探偵社を決めるのは問題があります。安すぎて成果が得られない場合や高くぼったくられたのに所望の成果がえられない場合が出てくるからです。電話だけで探偵社を決めるのはお勧めできません。探偵社によって高い、安いが出てくるのは当然のことで決め手には成りません。
探偵社を選ぶ際は、電話やメールに加え実際に事務所に出向いて探偵社の状況(届け出、人柄、調査機材など)を確認しておくことが重要です。調査料金は安ければ良いというものではなく調査力の高い探偵社の料金は決して安くはありません。大手の探偵社で調査力はピカ一なのに宣伝として安く設定している調査があります。浮気調査で完全成功報酬と謳って成果がでなければ実費経費も含めて0円としています。但し、受けてもらうには「浮気は確実」などの条件があるようです。調査対象の近くに所在する探偵社は、地理的、コスト的に優位と思われますのでお勧めできます。安価で機動力のよさを謳い文句に全国規模で展開している探偵社があります。本社が窓口になり集客を行って実際の調査は各支店で行う方式ですが、中には契約時点の料金より倍ぐらい上がったり証拠は取れずじまいのケースも報告されていますので注意が必要です。
(3)探偵社に騙されないために
探偵社に上手に相談する=騙されない、ことと思います。悪徳探偵の巧妙な手口に気をつける必要があります。
1)調査員の水増し
徒歩での尾行・張込みが必要で張込み場所の出入口が複数あるため調査員は3名必要としていたが、実際に稼働していたのは1名だけで水増し請求しているケースがあります。ご依頼者が怪しいとみて現場に入り探偵社と連絡をとりあい監視したら判明したそうです。このケースのように現場に行き確認できれば良いのですが、ご依頼者自身が確認するのは難しいものがあります。
2)追加料金を請求
調査期間終了まじかで成果が得られていない状況の中、もう少しで証拠がとれると言葉巧みに調査を延長させて追加の料金を要求されるケースがあります。契約時点で追加の費用は請求しないことを確認しておく必要があります。また、実費経費として高額なもの(航空券、宿泊代など)はご依頼者の了承を得てから実施するよう調査開始前に確認しておく必要があります。調査延長は、足元を見られるリスクがありますので慎重に判断する必要があります。
3)結果に対する取り決めがない
所望の結果(成果)が出ない理由には種々あります。契約時の調査プランが甘かった、予想より難易度が高かったなどです。調査技術がなく、素人レベルであるため対象者にばれてしまったなどは言語道断です。では、何をもって成果とするか?成果がでなかった場合の取り決めなく調査を開始しているのではないでしょうか?
浮気調査では、ご依頼者の所望の成果は明確で対象者の行動のみならず浮気に特化した証拠となります。結果がでない場合に料金はいくらに減額するのか?0円なのか?実費経費のみなのか?期間をあけて再調査(新規契約)するのかなどを取り決めておけばトラブルになりにくいと思います。現状では、調査終了後に協議して決める場合が多いですが・・・・。
稼働日のタイミングによっては運悪く浮気の証拠が掴めない場合や探偵社の不備で結果が得られない場合もあります。その場合に調査を打ち切るか、継続するか、料金はどうするかなどケース毎に取り決めておくことが必要です。勿論、探偵社の不備の場合は、探偵社の持ち出しで追加調査するのは当然と思いますが・・・。調査力のある探偵社では、証拠が取れない原因を速やかに分析し問題部分を修正します。つまり、証拠収集レベルが高い探偵社を選択することが重要ですね。
行方調査では、現住所や連絡先など成果ははっきりしていますが手掛かりが少なく成果が得られない場合も多々あります。対象者が逃げている場合や何年も経過している場合など高い料金を支払っても結果が出ないことも多いです。その場合、着手金と成功報酬を分け結果がでなければ成功報酬は0円としている探偵社は良心的です。着手金は、調査開始前に案件の難易度に応じて協議して決めている場合が多いですが、手掛かりを得るのに費やすためトントンか赤字の場合が多いです。行方調査は、総合的な調査力が試される側面があり難しい調査となります。
4)浮気していなかったので成功?
浮気調査の場合、ご依頼者からの情報をもとに調査プランをたて証拠がとれるように人員や調査機材を配置します。思い込みではなく90%以上の確率で浮気の事実がある場合には証拠(誰と会っていたか、密会現場など)は確実にとれます。しかし、思い込みで怪しいと感じているだけの場合、証拠がとれないケースもあります。ある探偵社では、証拠がとれなかったことを「浮気をしていなかったから成功です」とか言っているそうですが浮気の証拠が取れなかっただけで浮気をしていない証明にはなりません。言語道断です。しかし、この場合でも調査料金を支払うことが契約書に記載されていますので注意ください。
5)100%成功するという探偵
行方調査や盗聴器発見調査では、100%成功するという探偵社はいないと思います。証拠収集調査では、特別な事情がない限りほとんど成功すると思いますが100%ではありません。浮気調査の場合、事前の行動パターン調査でほぼ黒の場合やパートナーが見つけ出した浮気の感触(携帯メール、ラインや領収書など)が濃厚である場合、証拠はとれます。しかし、調査は「100%成功する」というのは「うそ」に近いものがあります。調査員の数や期間を長くすれば成功率は上がってきますが、取れない場合もあります。何事も100%の成功は限られたケースにしか当てはまりません。契約時点で100%成功する(失敗しない)という探偵社は、あまり信用できません。
(4)探偵社のスタンスを知る
探偵社には大手フランチャイズなどの会社組織、全国規模で支店を配置している探偵社、個人経営などいろいろな経営形態があります。調査料金は、経営状況(固定費、変動費や機材投資)で決まってくると思います。大手探偵社では個人経営に比べ融通がきかない場合もありますが、調査力や機動力では極めて優れたものがあります。しかし、個人経営の探偵社でも調査力がピカ一のところもあります。調査技術は属人的になりやすいものですが、調査員の技術力向上を狙いに日常的に訓練を行っている探偵社は信用出ると思います。個人探偵社の場合は機動力は劣るものの地域に詳しく小回りがききます。
スタンスで最も重視されるのは、調査力、次いで誠実さ(お客様の悩みを真摯に受け止める)と考えています。相談したい探偵社のスタンスがどこにあるのかチェックしてもいいと思います。以下はすべて重要なファクターですが、第一に考えているのは何か?
- 調査力(先端調査機材、尾行技術、撮影技法、訓練など)
- 誠実さ(嘘をつかない、お客様ファースト、モチベーションの高さ)
- 機動力(即日稼働、車両豊富、ドライビング技術)
- 地域密着(地理的優位性)
- 調査報告書(裁判証拠に通用)
(5)調査力と調査料金について
調査料金は広告費に比例すると言われますが、調査力に比例すべきと思います。尾行・張り込みは、すぐに不審者として通報されますので非常にやり難いご時世です。GPS端末の利用やワイヤレスカメラなどで遠隔監視を行う必要があります。また、対象者の映像は望遠レンズを高倍率ビデオカメラに接続して暗闇であっても明るく撮影できる機材を準備します。防犯カメラが必要であれば定点カメラで長時間撮影も行います。対象者は勿論、周囲の人にも気づかれずに調査していきます。カメラはハイビジョン仕様で超小型であったり、暗闇では高性能ナイトスコープや熱感知装置も利用し証拠を取得することがあります。
盗聴器発見では、盗聴電波を高帯域受信機で受信しますが電波そのものを検出し解析するスペクトラムアナライザーを準備している探偵社もあります。かなり、高額(200万~300万円)です。盗聴電波以外の携帯電話機を利用している場合は電子回路感知装置が有効です。最近では、ドローン空撮を一部利用している探偵社もあります。また、特殊調査でナイトスコープやファイバースコープ、電子回路熱感知、更に軽貨物に小型カメラを仕込んで証拠取りや張り込みに使用しています。
このように探偵社は、秘密裏に鮮明な映像を証拠として取得する為、高度な調査機材の導入を事あるごとに実施しています。素人が料金をけちって行う素人探偵とは訳が違います。以上のことから、安い料金では調査は受けられないということがご理解頂けると思います。調査力が高く調査員の質が高ければ、成果は100%でないにしてもそれなりの結果は出してもらえます。これが、調査料金が調査力に比例する理由です。お客様からすれば予算もあるでしょうから安いことに越したことはありません。しかし、探偵社からすればやる内容は同じですので赤字になっても仕事を受けるのか?のジレンマはあります。安くする=手を抜く(調査員絞る、稼働時間へらす、簡易報告だけで報告書なしなど)ということだと思いますが、成功率が下がるのでお勧めできません。