調査料金についての考察(浮気・素行調査)

調査料金についての考察(浮気・素行調査)

(1)料金タイプの各社比較

行動調査の料金タイプは、大きく分けて3つに分類されるようです。

・完全成果報酬:結果が出ない場合は0円若しくは実費経費のみ請求の2通り。
・成功報酬  :調査着手金+調査後成功報酬(報告書と引き換えに請求)。
・前払い制  :調査着手前に全額支払い。

(表1)料金体系の比較:(出典:各社HPから抜粋)

A社(大手)  B社(大手) C社 D社(大手) E社
料金タイプ  完全成果報酬 前払い制 前払い制 成功報酬  前払い/成功報酬
時間レート

(参考値)

1名4,250円 基本40,000円

1日80,000円

2名30,000円~

1日5時間以内

15,000円

延長:8,000円

2名15,000円

1名10,000円

料金体系  時間と人数  人数 時間と人数 時間と人数 時間と人数
実費経費 料金に含む 料金に含む 別枠 別枠 別枠
調査機材 料金に含む 料金に含む 料金に含む 料金に含む 料金に含む
報告書作成 料金に含む 料金に含む 料金に含む 料金に含む 料金に含む
クレジット 不明
追加料金 なし なし なし 不明 不明

(2)料金の見積もり

調査料金は電話での簡単な内容だけで見積もることはさすがに厳しいです。調査の詳細(行動パターン、移動方法、職業、住宅や住宅環境など)を確認した上でないと調査に必要な人数、日数や時間が見積もれないからです。これはどの探偵社でも当てはまると思います。表1に料金体系の比較を参考データとして記載していますが、実際の見積もり額は、探偵社ごとの料金システムで大きく変動するものと思われます。

HPの広告を見る限りでは、大方の探偵社が行う料金の見積もり方法は、人数あたりの時間レート×時間+実費経費と思いますが表1、B社のように1日の基本料金+調査料金として括っているケースもあります。各探偵社の調査時間の見積りは、調査実績を基に概略の時間を算出しますが、正確には下見調査の結果や対象者の行動パターンを勘案して導出する必要があります。相談時に対象者の行動や調査環境の情報が不正確だった場合、調査着手後の調査時間や日数に差が生じる恐れがあります。最初の相談時の情報を元に下見調査を行い対象者の行動パターンを調べた後に再度、お客様と調査プランを協議して双方納得の上で見積もることが重要となります。電話だけで概略の金額を要求されるお客様がおられますが、提示する値は50%ぐらいの精度しかありません。「○○万円で可能です」と即答できる探偵社はいないと思われます。いるとすれば、受件を優先して無理に安くしている可能性は高いです。

詳細に練り上げた調査プランであっても調査後に差異が生じる場合があります。この差分は探偵社の実力(調査技術力など)でカバーせざるを得ないのですが、いい加減な見積もりで経費が膨らみ大幅な赤字に陥るケースが追加費用請求の原因になるとも考えられます。「契約金額以外、一切請求しません」と謳っている探偵社は見積もり額=契約金額として信用できる探偵社と思われます。

経験から言えば調査員2名で1日10時間程度で10万円前後が相場と思われますが、探偵社によっては7万円から15万円までの幅はあるようです。2週間程度の期間であれば、50万~60万はすると考えていたほうが良さそうです。安くても結果がでる探偵社であれば最高ですが契約書類に成功の条件が記載されず結果が出ない場合の対処が不明確な契約では、トラブルの元となります。口先だけで高額な料金で契約させられ結果が出てないのに報酬を請求されるトラブルがあることも事実です。また、調査に着手したものの結果が出せず勝手に人数を増やしたり日数を超過させて大幅な追加料金を請求されるケースもあります。

(3)成功の定義は明確か?

完全成果報酬制を大々的に宣伝している探偵社があります。成果が得られなければ諸経費を含め0円としています。ここで言う成果とは何か?ご依頼者が望む結果、つまり浮気調査なら対象者の不貞行為の証拠を得ることでしょうし素行調査であれば、風俗通い、ギャンブルや酒癖など都合の悪い行為の証拠をとることになります。不倫調査の場合、通常、2週間から1ヶ月の間で対象者の不貞行為の証拠を突き止める契約となりますが、証拠が掴めるか否かは調査環境によって左右されます。ご依頼者の情報が不正確であれば、何度稼動しても証拠が得られない可能性があります。つまり、100%不倫をしていること、対象者の行動パターンが予測しやすいなどの条件がない限り完全成果報酬では受けられないはずです。この料金体系をとる探偵社では、電話相談時に受件可能か判断するシステムをとっているようです。

多くの探偵社は、前払い制か成功報酬制を採用しています。調査前着手金を取っており例え証拠が得られなくても0円と言うことはありません。また、成果報酬はなくても実費経費は請求されます。ご依頼者としても確実に不倫しているかどうか確信が持てないケースもあり行動調査で終了する場合もありますし「この日が確実」と言われて稼動したものの怪しい行動をしない場合もあります。つまり、対象者が確実に不倫している確証がない限り成果に「証拠が掴めなければ0円」と記載できないのが現実です。但し、探偵の技術力不足で撮影機会を逃したり対象者に発覚してその後の調査が出来なくなるケースでは、報酬は請求できませんし返金を要求される可能性が高いです。

離婚を考えておられるご依頼者であれば、不貞の証拠が絶対に欲しいし探偵社としても期待に沿いたい思惑があります。かと言って契約書に成果条件として「不貞の証拠を取る」とだけ記載した場合、証拠が得られるまで調査し続けることになってしまいます。従って、どこかで折り合いをつける必要があり、探偵社のミスが明確な場合は追加費用なしで再調査する、動きがなかった場合は当日の詳細行動でOK、あるいは成功報酬は不要で実費経費のみなど様々な対処を付記しておくことが重要となります。100%不倫の確証があり探偵社の調査技術力だけで成否が決まるという場合には成果として「不貞の証拠をとる」と明記出来ますが、100%の確証がなければ成果に付帯要件をつけないとトラブルの元となります。

(4)高額な水増し請求はないのか?

調査終了後に諸経費を水増し請求されるトラブルが報告されています。それを防ぐためには、契約時に見積もり金額や成果条件の確認が重要になってきます。これが探偵社選択のひとつの要素となります。調査契約書には、どのような調査を行うか(調査項目)、調査目的、調査方法(人数や車輌使用の有無、尾行・張込みなど)、契約期間や調査日数を記載することになっています。また、重要事項説明書には成果が出なかった場合や中途解約時の対処方法を記載することになっています。成果が出なかった場合は協議して対処を決定する、としている場合が多いです。探偵社のミスで証拠が取れなかった場合は、料金の請求はしない、または追加の費用なしで再調査するという文言を確認しておく必要があります。また、諸経費の内容を確認し調査機材費、車輌料金や報告書作成費用をオプションとして諸費用の追加を要求する探偵社もありますので、契約時に費用に含んでいるかどうかを確認することが重要です。

期間中にご依頼者の望む結果が出せない状況に陥った場合、ご依頼者に人員増や期間延長を言ってくる探偵社はそれでアウトです。探偵社の実力不足にその原因があることはご依頼者では判断できませんので、適当な言い訳をして追加請求する探偵社もいるので注意が必要です。HPなどで低料金を謳ってお客様を獲得したところで、やることは同じ作業(車輌で尾行し映像撮影、報告書作成など)をしますので赤字になりやすく追加費用として請求せざるをえないのでしょう。「追加料金は一切頂きません」の探偵社に先ずは相談することが肝要です。

(5)追加料金は一切請求しない、は本当か?

調査技術の高い探偵社では、暗視カメラや超望遠カメラなど豊富な調査機材を保有し調査ノウハウと相まって困難な調査も受けてもらえますが料金は安くはないです。その分、確実に証拠映像を取ってもらえます。見積もり精度が高く、確実に証拠がとれるので追加費用を必要としません。広告では、追加費用は実費経費のみと謳ってはいるものの車輌費や報告書作成費をオプションとして契約金額と同程度の金額を請求する事例が報告されています。良心的な探偵社では、諸経費は調査遂行の過程で必要になった費用(レンタカー代、高速料金、駐車場代、公共交通、飛行機代や宿泊費など)と定義していますしご依頼者の了解を得て請求するものです。車輌使用料や報告書作成費用、特殊調査機材費のオプション費用や依頼もしていない追加調査代などを請求する業者もいます。通常は領収書を添付しますのでごまかしようがないと思いますが、法外な金額を請求されたトラブルが報告されていまので契約書の作成段階で納得できるまで確認しておくことが重要です。

(6)調査技術はまともなのか?

調査技術が高い探偵社の調査料金は、相場より3割程度は高いように思いますがその分、確実に高解像の証拠映像を撮ってくれます。相場より安い探偵社でも技術レベルが高いところもあります。また、受件条件が厳しい完全成果報酬制を採用している探偵社もありますが調査技術は極めて高いです。(ここでいう受件条件とは100%成果を得るための条件であり、犯罪に加担するような調査は受けないこととは無関係です)。問題は、フランチャイズで構成されたローカルな探偵社です。それなりに調査技術は訓練し積み重ねてはいるものの実地経験が浅いために対象者にバレてしまったり証拠映像がなかなか取れず日数を大幅に超過する事例があります。また調査技術が浅いにも拘わらず料金が相場より高額になりがちです。本社で契約し調査エリアに所在するローカル探偵社が稼動するシステムもあります。しかし、ローカルでも自力で営業されているところも多くすべてがそうであるとは思いません。

(7)まとめ

浮気・素行調査などでは、調査料金は契約時の見積もり額(=契約金額)と実際の費用が完全に合致することはなく多少なりとも差があります。お客様によっては値引きを要求される場合があります。利益の圧縮で収まる場合はいいのですが赤字になってしまう場合は受件しない選択肢もあります。成果を重視するなら金額のことばかりにとらわれず調査技術にも対価を払う覚悟が必要と思われます。

1名で稼動すれば料金は安く抑えられますが成功率は下がります。2名では80%、3名では90%に上昇するデータもあります。1名で調査し結果が出せず日数が延びるケースを考慮し2名で稼動したほうが安上がりになるため、2名の調査を基本としている探偵社は多いです。勿論、1名で十分と言う探偵社もあります。

対象者の不倫は確実か、生活パターンの予測が容易か(若しくはGPSを携帯させることが可能か)、調査環境は複雑でないか?などの要因によって調査期間や調査員の数が大きく変動しそれに伴って料金も変動することをご理解いただき、ご相談時には出来るだけ詳細に情報提供頂くことが成功率アップに繋がり、結果として調査料金を抑えることが可能となります。

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